お仏壇購入の前に

仏壇は家族の心の支えとなる「一生に一度の買い物」です。仏壇についてよく知っていただき、納得いく仏壇を見つけていただけたら幸いです。

仏壇購入の時期

お客様から「いつ仏壇を買ったらいいのでしょうか」と質問を受けることがあります。最近は身近な人が亡くなってから購入する方が増えていますが、仏壇を購入する時期は人それぞれに違っていいのです。 亡くなった人がいないのに、仏壇を購入すると不幸が起こるとか、閏年に仏壇を購入してはいけない、と昔は言われたようですが、まったく根拠のない迷信です。

身近な人が亡くなったあと、購入する方は四十九日法要までに仏壇を購入するとよいでしょう。間に合わない、じっくりと良い仏壇を選びたいと考えるならば、一周忌までに購入することをおすすめします。 お盆、お彼岸、年回忌を機に購入する人もいます。家を新築するときに仏壇購入を考える人もいます。仏壇を購入するのに、良い時期、悪い時期はありません。思い立ったときが購入時期といえます。

仏壇の購入予算

仏壇購入は高価な買い物です。 あまり急いで買わずに、何軒か仏壇店を見てまわり、値段を調べてから予算を立てるとよいでしょう。
仏壇を購入するとき、仏壇だけではなく、本尊や花立、香炉などの仏具も必要になります。それも含めて、予算を立てましょう。 仏壇の価格は高いものから安価なものまで幅広いものです。人気のある価格帯は仏壇と仏具を合わせて50万円くらい、高価な仏壇は100万円を超えます。高価な仏壇が良い仏壇ではなく、家にあった仏壇、気に入った仏壇が一番良い仏壇といえるでしょう。

仏壇は何度も買い替えるものではなく、一生に一度の買い物です。良いものであれば、何世代にもわたって家族に引き継がれていきます。価格にとらわれるよりも、気に入った仏壇を選んだほうがよいので、少なくとも3軒くらいの仏壇店に足を運びましょう。

仏壇の置き方

仏壇を購入する前に、仏壇を安置する場所を決めましょう。かつては、たいていの家に仏間があったので、安置する場所を考える必要はありませんでした。しかし、仏間のない家がほとんどとなりました。最近では和室のない家が多くなったので、仏壇を置く場所を考えなければならなくなったのです。 仏壇を安置する向きは、仏教では十方どの方角にも仏はいるとされているので、方角に吉凶はありません。が、一般的には北向きは避けて置きます。 家のなかで、落ち着いて礼拝でき、家族が毎日おまいりしやすい場所が一番適しています。座敷があれば、座敷が最適ですが、家族が集まりやすい居間でもよいでしょう。

仏壇のことを考えますと、直射日光が当たらない、湿気の少ないところで、冷暖房の風が直接あたらない場所がよいでしょう。直射日光や湿気、冷暖房の風は仏壇を傷めるのです。 床の間や押入れの上部、整理タンスの上、居間のサイドボードなどの上に置いてもかまいません。テレビやオーディオラックの上など、音がするものの上には置かないようにしましょう。また、仏壇の上に何も置かないようにしましょう。 もうひとつ、気をつけることは、仏壇の高さです。座っておまいりするとき、本尊の位置が目より少し上になるように安置することです。立っておまいりするときは、本尊が胸よりも少し上くらいの位置になるように安置します。

仏壇の向き

仏は十方どの方角にもいるので、仏壇はどの方角に安置してもよいのですが、昔から仏壇の向きには諸説あります。

南面北座説

仏壇を南に向け、北を背にして仏壇を安置する考え方です。この向きは仏壇に直射日光があたらず、風通しもよいので、家のなかで最適な仏壇の安置場所になります。ここから、仏壇の北向きはよくない、と言われるようになったようです。

本山中心説

仏壇の前に座って礼拝するとき、拝む延長線上に宗派の総本山がある方向に安置します。本山によって、住む場所によって、西向きにも東向きにも南向きにもなります。

西方浄土説

西方浄土とは極楽浄土のことで、西方浄土の方向にある西に向かって拝めるように、仏壇を東向きに安置します。
どの説をとるかで、仏壇を安置する方向が決まりますが、どの方向にもなりうるので、仏壇はどの方向に安置してもかまわないのです。

仏壇の位置寸法

仏壇の安置場所を決めたら、どのくらいの大きさの仏壇にするかを決めます。 まず、安置する場所の寸法をはかりましょう。高さ、幅、奥行きなどをきちんとはかります。サイドボードや整理タンスの上ならば、問題はありませんが、仏間や押入れの上部に安置するときは、気をつけてください。仏壇の扉は観音開きで両側に開きますので、本体の寸法だけではなく、扉が左右に開くスペースも考えて、仏壇の大きさを考えましょう。

家の新築にあわせて仏壇を購入するときは、先に仏壇を決めてから、仏壇の大きさに合った仏間やスペースをつくったほうが納まりがよいです。 忘れがちなのが、マンションの玄関や部屋の入り口の大きさです。部屋に適した大きな仏壇を選んだものの、部屋の入り口が狭くて入らなかった、ということにならないように、玄関や部屋の入り口の寸法もきちんとはかっておきましょう。